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東京にしがみつく人たち 「花咲さんの就活日記」
 東京の空に花火が舞う。うだるような暑さがつらい夏だが、花火を見ているときは少しだけその暑さを忘れられる。
 
 そんな夏の風物詩の花火を間近で、花火と同じ目線で見ることができる一部の人たちがいる。それはタワーマンションの高層階に住んでいる人たちだ。タワーマンションは基本的に上の階に行けば行くほど、その値段が高くなっていく。つまり空に近い家を借りることができる人は成功者たちだ。
 そして我々一般の人たちは地上から見上げることしかできない。また地面に這いつくばって見ている人たちもいる。それはアメリカンドリームならぬ、東京ドリームを夢見て、小指一本東京という舞台にしがみついている人たちだ。
 
 小野田真央さんの「花咲さんの就活日記」はそんな東京ドリームを諦めきれない一人の女性が主人公のマンガだ。花咲さくらはかつてやよい出版から刊行されているマンガ雑誌、『月刊α』で連載を持っていた。しかしながら担当していた女性編集者の水谷が編集長になると同時に、担当の編集者が変わり上手くいかなくなった。そしてついには連載を自ら辞めた。
 花咲さくらは何度か就職活動を試みるも、マンガ家への未練はたらたら。せっかく面接までたどり着いても、ブッチしてしまう。また奇跡的に内定をもらった会社の初出社日に、どうしても電車に乗ることができずに出勤できなかった。
 
 ホームと電車の間は30cmもない。しかしながらその30cmは花咲さくらにとっては現実と夢の世界を分断する深い深い溝だ。東京ドリームを信じて努力している人がたくさんいる。また諦めて深い深い溝を乗り越えて、一般の会社員としてマジメに働いている人たちもいる。
 どっちが正解なのかわからない。溝を乗り越えて、社畜として働いている人がカッコイイのかもしれないし、貧しい暮らしでも夢をあきらめていない人がカッコイイのかもしれない。私にもその答えはわからないし、きっとこれからも見つからない。


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201312190014
カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生
 大学を卒業して、新卒で東京で働き始めてからもうすぐ二年になる。ここ東京では芸能人やミュージシャンなど華やかな人たちが暮らす。一方で芸能人やミュージシャンなどになりたくて、必死に頑張り、首の皮一枚繋がっている人や、夢破れて、バイト先の社員になった人たちで溢れている。
 
 「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」は表題の作品を含めて歌手、詩人、ライター/編集者、お笑い芸人を夢見る若者を描いたマンガだ。このような職業は子供が将来なりたいと言ったら、確実に親から反対される職業である。
 このような職業に就きたい人たちは痛い人たちが多い。少なくとも成功するまでは痛いと言われる。このマンガはそんな人たちのサクセスストーリーを描いた爽やか青春小説ではなく、それぞれのイタイ姿を容赦なく私たちの前にえぐり出す。出てくる固有名詞、部屋に置かれたアートなどが痛々しさを助長する。
 
 このマンガを読んで、単純に楽しいと思える人もいれば、心を引き裂かれる人もいるだろう。後者はこのマンガの登場人物に、大小は違えど共感でき、自意識が曲がった方向に膨らんでいる人たちだ。そして作者も同類の人物ときっと気づくだろう。
 このマンガはもともとは少部数の手作りコピー紙として販売されていたが、表題作が評判を呼んで扶桑社より単行本化された。著者はただの痛い人たちという枠組みから脱出した一人なのだ、そして読者はその事実にきっと嫉妬する。


 
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201309200026
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