スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告
----------
ネームバリューの蜜と毒
「どんな馬鹿げた考えでも、行動を起こさないと世界は変わらない」
「必ずできると信念を持ったならば必ずできる」
「三流は人の話を聞かない。二流は人の話を聞く。一流は人の話を聞いて実行する。超一流は人の話を聞いて工夫する」
 
 こんな言葉を立ち飲み屋でたまたま隣になったおっさん、「俺はビッグになる」といつも言っているフリーターの自称ミュージシャン、ハゲ散らかしたあなたの上司に言われたらどう思うだろうか。ウザイの一言だろう。
 でもこれがマイケル・ムーア、松下幸之助、羽生善治の言葉と知ったら、途端に言葉に重みがあるように感じ、説得力が増す。
 
 私たちはあらゆる対象物を単独で捉えることはせず、対象物を取り囲むあらゆる要素と関連付けて対象物を捉える。とりわけ対象物の主体、言葉だったら発した人、物だったら創った人が大きな役割を果たす。
ネームバリューがもたらす影響は大きい。ただのガラクタが有名人が使っていたという理由だけで、その価値が跳ね上がることもある。

 また教室のような小さな世界でもこの現象は起こる。クラスで成績が良い人がお勧めする勉強法は、そうではない人がお勧めする方法よりも真似したくなる。どうせ試してみるなら、結果が既に出ている方法を試したくなるものだ。
 
 小説を買うときも、私たちはネームバリューに大きく頼ることがある。「とりあえず東野圭吾を買っておけば失敗しない」、そう考えている人は結構いるのではないだろうか(別に否定しているわけではありません、東野圭吾さんの作品私も読みます)。
 
 小説を買って失敗したくないという考えはよくわかる。本を読むというは能動的だ。故に受動的な映画を観るなどの行為と比べて、失敗したときの時間もお金も返せ感が大きくなる。
 
 だからこそ小説を本屋で選ぶときに、冒険したくなくなり、知っている作家の作品やテレビで紹介されていた本などを選びがちだ。ネームバリューに踊らされていて、本来自分にあっている本に出会えなくなる可能性がある。
 
 このネームバリューの問題は実は作家にも影響している。作家にとって固定のファンがいることはとても嬉しいことである(そのはず)。しかしながら固定のイメージが作られることによって、作品の幅が制限されることもある。また勝手に「~の作品っぽくない」と言われることもある。
 ちなみにミスターチルドレンの桜井さんもこの問題と戦っている。「ミスチルっぽい」と言われないように曲を作ったつもりが、「めっちゃミスチルっぽい」と言われることもあるそうだ。
 
 今年の夏にネームバリューに関して話す上で、象徴的なニュースがある。4月にイギリスでロバート・ガルブレイスという男性名で出版された「The Cuckoo`s Calling」が、ハリーポッターシリーズのJ・K・ローリングさんによる作品と発表された途端に、アマゾンでランキング一位になった。
 ネームバリューで私たちは本を購入しているのだ。専門家はまだしも、多くの人は内容だけで、適切な判断はできない。表面的な要素でまず判断しているだけだ。
 
 先日新しい本を求めて本屋で文庫の棚の前に立ち、目を瞑って手を伸ばした先にある本を買うことに決めた。手に取った本の裏表紙の概要を読んだけれど、少しも心を踊らされなかった。私は静かにその本を本棚に戻し、お気に入りの作家の新刊をレジに運んだ。そんなもんだ。


 
スポンサーサイト
別窓 | 本についてのあれこれ | コメント:0 | トラックバック:0
201307271232
<<ゆっくりと落ちていくコロッケ | 本を肴に酒を飲む | とりあえずラジオ>>
この記事のコメント:
COMMENT
コメントの投稿

管理者だけに閲覧

この記事のトラックバック:
トラックバック URL

FC2ブログユーザー専用トラックバック URL


TRACKBACK
| 本を肴に酒を飲む |
copyright © 2006 本を肴に酒を飲む all rights reserved. template by [ALT -DESIGN@clip].
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。