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競争力
 ずっと疑問に思ってひいたことがある。有名人や会社を興し成功した人が、最終的に政治家になる、もしくは政治に大きく関わろうとすることが多いことだ。スポーツや芸能界で成功することと、政治家として活躍することは全くベクトルが異なる力が必要だ。もちろん会社を経営することと、国を運営することも大きく違う。ではなぜ多くの著名人は政治活動をするようになるのだろうか。
 
 いくつかの理由が考えられる。その一つは有名人の認知度を利用して、党のイメージアップ、議員確保のために現職の政治家から誘われて政治家になるケースだ。アントニオ猪木何かが政治家になる時代だ。闘魂注入してきた人が、教育現場における暴力などにも携わると思うとシュールな話だ。
 他にも自らの経験を社会のために活かす、また政治活動を通して自社の利益になるように政策を方向転換したいという理由が考えられる。このような活動は広報的な役割も果たし、上手くいけば会社にとっても、個人にとっても大きなメリットだ。
 
 近年こうした活動で目立っているのは、「競争力」を父である経済学者の三木谷良一と執筆した楽天株式会社の社長の三木谷浩だ。先日の参議院選挙でも党を越えて複数の議員の応援演説を行い、新経済連盟の代表理事も務める。
 三木谷浩はもともと日本興業銀行(現・みずほ銀行)出身のエリートだ。ハーバード大学にてMBAを取得後興銀を退職し、後の楽天株式会社となるエム・ディー・エムを設立する。現在では日本を代表する経営者の一人だ。
 「競争力」が出版されたきっかけは三木谷良一が病気で療養のために、神戸から東京へ移り住むことになったからだ。息子の隠れブレインとして活躍していたが、年齢的にいつまでもアドバイスを与えられるわけではないので、思い切って日本の将来に関わる大きなテーマについて、意見を交わした内容がそのまま本になっている。
 イノベーション、オペレーション力、アベノミクス、ローコスト国家、国際展開力、教育力、ブランド力と幅広いテーマで経済学も交えながら日本がどう変わっていくかを指示してくれる。楽天株式会社での経験を国家規模で、ミクロで考えたことをマクロに応用して考えている。
 
 先日私はサンフランシスコに二週間ほど出張に行っていたが、滞在したホテルで驚いたことがあった。ホテルのテレビがLGだった。一昔前は海外のホテルのテレビは日本製が当たり前だった。また家電量販店でも、アップルの次に韓国製の製品が目立っていた。日本はこの十年間で大きく衰退してしまったのだろうか。
 大きな理由として、国内産業を守ったために、製品がガラパゴス化、つまり日本だけにしか通用しない製品しか生まれなくなったことだと本書で二人は述べている。なんせ現在パナソニックが開発したインターネットテレビがテレビ局から拒否され、代わりに4Kテレビが開発される国が日本だ。
 このようなガラパゴス化する傾向を変えるためには、国家としてグローバルの市場で勝利していくことを意識する必要があると三木谷浩は述べる。一つの解決策として楽天株式会社で必要な英語化を提示している。
 
 ちなみにこの会社の英語化に関しては、頻繁にインターネットやメディアなどにも批判されることがある。一部の人にとって仕事が非効率になることや、英語ができる人が評価されるシステムになってしまうのではないかと。
 ただもちろんメリットもある。この会社全体としての英語化の取り組みはハーバードのビジネススクールのケーススタディとしても取り上げられており、海外の優秀な学生及び人材が楽天を知るきっかけになった。Googleなどの一流会社からの転職も相次いでいる。
 
 国として英語教育を強化していくことによっていくつかのメリットが考えられる。韓国の小学校からの英語教育による成功例からもわかるように、国としてグローバルに利益を生み出せる集団、また人材を作り出すことができる。サムスン、LG、ヒュンダイなどの急速な成長が如実にその意味をあらわしている。
 もちろん英語がいらない仕事は世の中に溢れている。ただできて損はない。たまに英語ができないために、デパートなどで上手く対応できずに、裕福な外国人からの売上を逃すところをよく見かける。会社としても、日本全体にとっても大きなロスである。
 
 今後二人が、特に三木谷浩がどのように日本を成長させてくれるのか、また活動によって世間をいい方向に導いてくれるのか(ときにはざわつかせる)楽しみだ。本書はその礎になる一冊だ。

 「競争力」出版記念パーティーに関するニュースはこちら

 
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201309211210
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