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なんで大人は宝くじを買うのか
 お酒やたばこ、加えてギャンブルは「大人が楽しむ物」というイメージが私には子供の頃あった。そしてそれらに没頭する大人たちを、私は子供の頃馬鹿にしてきた。お酒やたばこが無いとイライラする大人たちを身近に見てきた。またギャンブルにのめり込んんで人生を狂わす人もいる。そんな「大人が楽しむ物」に溺れる大人はダメだと思っていた。
 そんな私も24歳の年男。たばこは運動もしていたせいか、一本も吸ったことないし、咥えたこともない。またギャンブルもやったことがない。ただお酒は大好きだ、学生時代に比べて大人しく飲むようになり、たしなむようになった。お酒に溺れて、お金を散財し、家族に捨てられる(まず彼女を作ろう)ようにのめり込むこともない。
 
 もう一つ子供の頃に、「大人は馬鹿だなぁ」と思っていたことがある。それは宝くじだ。大金ではないが、ドリームジャンボのたびに親は10枚ほど購入していた気がする。私は子供の頃は二つの思いで、親が購入するのを見てきた。
 一つ目は、もし一等当選したらどうしようかと妄想することだ。浮かんでくることが家を買う、車を買う、洗濯機を買い替えるくらいの低レベルのことだけだ。でもそれを話すのは楽しい。旅行の計画が楽しいのと同じ感覚だ。
 そして二つ目は「宝くじを買わずに、働けよ」っていう思いだ。一等当選したとき妄想は楽しいが、実際当たる可能性は天文学的な確立なので、実際にお金をかけることは馬鹿馬鹿しいと思っていた。
 
 そんな私も24歳の年男(本日二回目)。現在年に三、四回ほどドリームジャンボを購入している。毎回10枚から20枚ほど有楽町駅に隣接している宝くじ売り場に行っている。あれだけ「働けよ」って思っていたのに、購入するようになったのには理由がある。
 三億円という夢のような金額は一生かけても届かないという現実が、働き始めると気づいてくる。三億円というと、30歳から定年の60歳(65歳までの場合もあるが)まで毎年1000万円稼がなければ到達しない額である。
 そもそも年収1000万円というハードルが高い。社会人のほとんどが1000万円を到達せずに定年を迎える。社会人の平均年収は600万円に到達しない。三億円というのはまさに「ドリーム」だと残念ながら気づいてしまう。
 そのため宝くじファンの多くはほんのわずかばかりの「希望」を購入している。もちろん当たると思って購入している訳ではない。購入から当選番号発表の期間は、お酒を飲んで酔っ払っているような浮遊状態でいられる。その期間だけ夢を見ることを許される。そして当選番号発表当日に、夢から叩きおこされるように、現実に引き戻される。
 
 宝くじは働いていないから買うのではない。働いているから買うんだ。今日も夢を見るために多くの人がジャンボを買いに並んでいる。


 

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201310121133
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