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文学は芸術という考えについて
 文学とは、本来、コトバの芸術である。芸術とは魂にふれる美の働きの総称だが、今日の日本文学は真実の意味で芸術たり得ているだろうか。芸術ならば、闇に迷う人の光でなくてはならない。『想像ラジオ』に光はなかったか。この作品の真の作者が死者であることも分からないのが現代日本文学なのである。

 批評家の若松英輔(@e_wakamatsu)さんのツイート。“文学とは、本来、コトバの芸術である。”と述べている。文学とは芸術という捉え方は1つの考え方としてはありだとう思う。ただの言葉の羅列だけれども、美しい配列が素晴らしいストーリーを生み出し、情景や感情を映し出す

 芸術を辞書で調べると「特殊な素材・手段・形式により、技巧を駆使して美を想像・表現しようとする人間活動、およびその作品」と書かれてある。ここで一旦文学を芸術と捉え、一般的に芸術と捉えられる映画や音楽、絵画などと比較してみたい。

 まず映画だが、大きな軸となる物語に加えて、映像の美しさ及び効果が求められる。また物語を再現するための俳優、物語を後押しする音が必要になってくる。続いて音楽だが、歌詞のある音楽の場合、文学と同じく言葉の羅列が重要であり、メロディラインも重要になってくる。

 また歌詞のないオーケストラなどの作品においては、文字こそないものの、メロディライン、音色を通じて季節や情景、心情などを表現する。最後に絵画だが、これは映画や音楽とは異なり、文字を必要としない。動きのない作品の中で、最大限表現する必要がある。最も作品の受け手側に解釈が委ねられる。

 これらの芸術に比べて、文学はどうなのかというとそれぞれベクトルが異なり、平等に比較することは不可能だ。よく映画は小説よりも難しい芸術作品と言われることがある。物語に加えて、映像や音を意識する必要があるからだ。しかし小説でしか表現できないことがある。そう信じている人もいる。

 「人のセックスを笑うな」で文藝賞を受賞した山崎ナオコーラさんは、誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたいと述べている。彼女は映像と文学は全く異なり、それぞれ表現できる領域が異なると考えている。どの芸術が分野としてより高尚という議論は無意味だ。

 若松英輔さん(@e_wakamatsu)さんのツイートに戻るが、文学を芸術と捉えることはありだと思う。しかし文学を芸術に仕立て上げ、無理に高尚な物へと押し上げると一部の人にとっては嬉しいかもしれないが、大衆は離れていってしまう。評論家に評価されるが、一般の人が置いてけぼりになる。

 この事が如実に表れているのが芥川賞と本屋大賞の受賞作の違いだ。前者では純文学として評価が高い作品が受賞作に選ばれる。一方後者は、街の本屋さんが直接投票し、より大衆に近い目線で受賞作が選ばれる。どちらの賞も注目されるが、圧倒的に後者の方が受賞作の売上が大きい。

 芸術というラベルに頼るだけでは、文学の世界は廃れていくのは間違いない。デザイナーのポール・スミス氏も服をデザインする上でエゴ丸出しの芸術作品を作り出すこともできるが、ビジネスとして成り立たせることも必要と述べている。芸術としての評価と、大衆の評価が共に求められるのだ。

 2013年本屋大賞を受賞した百田尚樹さん(@hyakutanaoki)さんは、小説は読者を満足させてナンボと自身のtwitterで述べている。書評家の評価などは気にしていない。本が売れない時代に、100万部を突破する作品を連発する百田さんの考えだからこそ説得力が増す。

 本が売れないと嘆く前に、本当に読者のことを考えて作品が生まれているのか考え直す必要がある。文学は芸術だと言うのは結構なこと。しかし芸術として高い評価を得るべき作品を、読者が理解できないと喚くのは馬鹿馬鹿しい。この考えを改めない限り、文学の未来はないし、過去の遺物になる。


 
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201307211219
集英社文庫ナツイチ「文学、始めました」
 出版社にとって夏には大きなお祭りがいくつかある。1つ目は何といっても、芥川賞・直木賞だ。マスコミがこぞって受賞者を報道する文学賞はこれと、本屋大賞くらいだ。

 2つ目は、毎年夏に開催される東京国際ブックフェア。こちらはややビジネスよりのイベントだが、有名作家による講演、最新の電子書籍の体験、本を定価の20%で買うことができるなどなど一般の読者も楽しめる。
 
 3つ目は、今回紹介する各出版社が総力をあげて展開する文庫フェアだ。集英社文庫、新潮文庫、角川文庫、講談社文庫などなど毎年面白い企画で読者をひきつけている。その中でも個人的に好きなのは、集英社文庫のナツイチ

 ナツイチといえば、数年前は蒼井優さんがCMを務めていた。2分近い力の入ったCMがいまだに記憶に残っている。2012年にはブレイクした剛力彩芽がCMガールを務めたが、いまいちパッとしなかった。


2007年CM

2008年CM


 そして今年はどういったキャンペーンかというと「文学、始めました」のキャッチコピーで、AKB48のメンバーが文庫を読み、読書感想文を書くという企画。今まではCMキャラクターが1人だったのでできなかったが、メンバーが多い(多すぎる)からこそできる企画だ。
 
 東京国際ブックフェアの集英社のブースはまるごと全部集英社文庫だったが、AKB48メンバーの写真と共に、本が並んでいる様子は圧巻だった。別にAKB48のファンじゃなくても企画の凄さが伝わってきた。
 
 気になるのがどのメンバーが、どの本を読むかというポイント。個人的に大島優子さんが田中慎弥さんの「共喰い」、板野友美さんが金原ひとみさんの「蛇にピアス」を読むところがセンスがあると思う。両作品ともに少し、いやかなりエッジのかかった作品だが、この2人ならと思わせてくれる。
 
 メンバーの読書感想文は7月13日より、週替わりで特設サイトで公開される。推しメンが読んでいるから、自分も読んでみる。そんな動機で本を読んでもいいと思う、今年の夏は。


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201307071350
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